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宗教ビザ(在留資格)とは?:条件、在留期間、変更・更新、申請必要書類等

教会にいる宗教ビザ(在留資格)の宗教家の写真

画像著作:Freepik

宗教 Religious Activities

この記事は、宗教ビザの要件(条件)、在留期間、変更・更新、申請時の必要書類などについて解説しています。

宗教ビザの申請をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

執筆者:行政書士/宇佐見崇

1. 宗教ビザとは?

宗教ビザ(在留資格)とは?

宗教ビザは、外国の宗教団体より派遣された宗教家(宣教師・牧師・神父・僧侶・司祭・司教・神官・伝道師など)のためのビザ(在留資格)です。

2. 宗教ビザの要件(条件)

宗教ビザ(在留資格)の要件(条件)

宗教ビザは、日本の法律(出入国管理及び難民認定法)で次のように定められています。

日本での活動が次に該当していることが、宗教ビザの要件(条件)となります。

外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動

出入国管理及び難民認定法 別表第1の1の表

  • 具体的には、次のような者としての活動が該当します。

    外国の宗教団体から、日本で布教等を行うことを目的として派遣された、宣教師・牧師・神父・僧侶・司祭・司教・神官・伝道師などの宗教家

  • 外国の宗教団体」は、外国に宗教上の活動を行うための組織を有する宗教団体を意味します。

    必ずしも、その宗教団体の本部が外国にある必要はありません。本部が日本にある宗教団体も、外国に宗教上の活動を行う組織を有していれば、「外国の宗教団体」に含まれます。

  • 宗教団体」は、宗教法人法第2条で次のように定められています。

    この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。

     礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体

     前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体

    左に掲げる団体」はの団体、「前号に掲げる団体
    」はの団体を示しています。

  • 布教その他の宗教上の活動」について

    ◎「布教」は例示です。「宗教上の活動」は、宗教法人法第2条の「宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成すること」が該当します。

    主に修行や宗教上の教義等の研修を行う活動は、「宗教上の活動」には該当しません。

    ◎布教活動等の合間に行う、所属する宗教団体が運営する施設での物品販売等については、宗教上の儀式行事に使用する物品販売等の宗教活動に密接に関連するものでしたら、宗教上の活動に含まれえます。

    所属する宗教団体が運営する施設以外での語学教育・社会事業などについては、所属する宗教団体の意思に基づいて宗教活動の一環として行われるものでしたら、宗教上の活動に含まれえます。

    ただし、所属する宗教団体から通常受ける宗教上の活動に対する報酬とは別に、これらの活動を行ったことに対する
    報酬(業として行うものではない講演に対する謝金、日常生活に伴う臨時の報酬その他の法務省令で定めるものを除く)を受けるときは、通常、資格外活動許可が必要となります。

    ◎宗教上の活動でも、他人の生命・身体などに危害を及ぼす違法な有形力の行使や、その内容が国内の法令に違反し又は公共の福祉を害するものは認められません。

  • その他の留意点

    ◎自ら布教その他の宗教上の活動を行わない者の活動、単なる信者としての活動、もっぱら教会の雑役に従事するために派遣される者等の活動は、宗教ビザに該当しません。

    ◎ミッション系の教育機関を経営するような場合は、経営・管理ビザの対象となります。

    ◎許可を受けるには、日本で宗教ビザに該当する活動を行い、その活動で安定した生活をおくることのできる十分な収入を得られる必要があります。

    報酬等は、外国の派遣元から受けるもの、日本で活動する宗教団体から受けるもの、どちらでも大丈夫です。

    ◎日本国内に活動の拠点となる施設があることが必要です。ホテルの1室・月単位の短期賃貸スペースなどは、活動の拠点となる施設として認められません。

  • 在留期間は「5年、3年、1年、3ヶ月」の中で、いずれかの期間が決定されます。

3. 変更・更新のガイドライン

宗教ビザ(在留資格):変更・更新のガイドライン

在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請は、上記「2. 宗教ビザの要件(条件)」に該当していることに加えて、次の事項が考慮されます。

なお、次の事項は代表的な考慮要素です。これらのすべてに該当する場合でも、すべての事情を総合的に考慮した結果、変更・更新の申請が不許可となることもあります。

  1. 現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと

    申請人である外国人が、現に有する在留資格に応じた活動を行っていたことが必要です。

    例えば、除籍・退学後も在留を継続していた留学生については、現に有する在留資格に応じた活動を行わないで在留していたことについて正当な理由がある場合を除き、消極的な要素として評価されます。

  2. 素行が不良でないこと

    素行については、善良であることが前提となり、良好でない場合には消極的な要素として評価されます。

    具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行為、不法就労をあっせんするなど出入国在留管理行政上看過することのできない行為を行った場合は、素行が不良であると判断されることとなります。

  3. 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること

    申請人の生活状況として、日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産または技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること(世帯単位で認められれば足ります。)が求められます。

    仮に公共の負担となっている場合でも、在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には、その理由を十分勘案して判断されることとなります。

  4. 雇用・労働条件が適正であること

    就労している(しようとする)場合には、アルバイトを含めその雇用・労働条件が、労働関係法規に適合していることが必要です。

    なお、労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は、通常、申請人である外国人に責はないため、この点を十分に勘案して判断されることとなります。

  5. 納税義務を履行していること

    納税の義務がある場合には、当該納税義務を履行していることが求められ、納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。

    例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合は、納税義務を履行していないと判断されます。

    なお、刑を受けていなくても、高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も、悪質なものについては同様に取り扱われます。

  6. 入管法に定める届出等の義務を履行していること

    入管法上の在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人の方は、入管法第19条の7から第19条の13まで、第19条の15及び第19条の16に規定する在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。

    <中長期在留者の範囲>
    入管法上の在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人で、次の①~⑤のいずれにも該当しない者

    ①  3ヶ月以下の在留期間が決定された者
    ②  短期滞在の在留資格が決定された者
    ③  外交・公用の在留資格が決定された者
    ④  ①②③に準ずる者として法務省令で定めるもの
    ⑤  入管特例法に基づく特別永住者

在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

4. 宗教ビザの質問

宗教ビザ(在留資格)のよくある質問

宗教ビザについて、よくある質問をご紹介します。

出入国在留管理局に提出する基本的な申請書類については、次の出入国在留管理庁のページを参照してください


当事務所では、出入国在留管理庁のページに記載されている基本的な申請書類に加えて、申請理由書状況に応じた申請書類などを提出しています。

出入国在留管理庁のページに記載されている基本的な申請書類だけでも受け付けてもらえますが、不許可や審査期間の長期化などのリスクを避けるために、申請理由書や状況に応じた申請書類などを提出して、法令の要件をクリアしていることを十分に立証しましょう。

宗教ビザで在留する宣教師・牧師・神父・僧侶・司祭・司教・神官・伝道師などが、結婚式の司式を執り行うことがありますが、その活動が所属する宗教団体の指示に基づいて宗教活動の一環として行われるものでしたら、宗教ビザの活動の範囲内として認められます。

ただし、上記の指示がない場合は、資格外活動許可を受ける必要があります。

なお、資格外活動許可を受けるには、その活動を行い、報酬を得ることについて受入れ機関である日本の宗教団体の事前承認が必要です。

宗教ビザで在留する宣教師・牧師・神父・僧侶・司祭・司教・神官・伝道師などが、ミッション系の教育機関(幼稚園・保育園など)の先生等として活動することがありますが、その活動が所属する宗教団体の意思に基づいて宗教活動の一環として行われるものでしたら、宗教ビザの活動の範囲内として認められえます。

ただし、所属する宗教団体から通常受ける宗教上の活動に対する報酬とは別に、その活動に対しての報酬が支払われるときは、通常、資格外活動許可を受ける必要があります。

5. 宗教ビザ:まとめ

最後に、宗教ビザの重要ポイントをまとめました。

宗教ビザ(在留資格)の重要ポイントまとめ
  • 宗教ビザは、外国の宗教団体より派遣された宗教家(宣教師・牧師・神父・僧侶・司祭・司教・神官・伝道師など)のためのビザ(在留資格)。
  • 許可を受けるには、日本で宗教ビザに該当する活動を行い、その活動で安定した生活をおくることのできる十分な収入を得られる必要がある。
  • 在留期間は「5年、3年、1年、3ヶ月」の中で、いずれかの期間が決定される。
  • 在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請は、「2. 宗教ビザの要件(条件)」に該当していることに加えて、「3. 変更・更新のガイドライン」の事項等が考慮される。
  • 申請書類(必要書類)は、出入国在留管理庁(入管)のページで最新のものを確認する。
    【出入国在留管理庁】各種手続
行政書士
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以上、行政書士が解説しました。宗教ビザのくわしい内容は、無料そうだんでも個別にご案内しています。どうぞお気軽にお声がけください。

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