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医療ビザとは?:条件、変更・更新、申請必要書類など行政書士が解説!

医療ビザ(在留資格)の医療従事者の写真

医療 Medical Services

この記事は、医療ビザの要件(条件)、在留期間、変更・更新、申請時の必要書類などについて解説しています。

医療ビザの申請をお考えの方は、ぜひ参考にしてみてください。

執筆者:行政書士/宇佐見崇

1. 医療ビザとは?

医療ビザ(在留資格)とは?

医療ビザは、①医師、②歯科医師、③薬剤師、④保健師、⑤助産師、⑥看護師、⑦准看護師、⑧歯科衛生士、⑨診療放射線技師、⑩理学療法士、⑪作業療法士、⑫視能訓練士、⑬臨床工学技士、⑭義肢装具士のためのビザ(在留資格)です。

2. 医療ビザの要件(条件)

医療ビザ(在留資格)の要件(条件)

医療ビザは、日本の法律(出入国管理及び難民認定法)で次のように定められています。

日本での活動が次に該当していることが、医療ビザの要件(条件)となります。

医師、歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動

出入国管理及び難民認定法 別表第1の2の表

  • 法律に基づく資格がなければ従事することが認められていない、医療に係る業務に従事する活動が該当します。

  • 医師、歯科医師」は例示です。

    「医師」は、医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けた者のことです。

    「歯科医師」は、歯科医師国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許を受けた者のことです。

  • 資格を有する者が行う活動でも「資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務」以外の業務に従事する場合は、医療ビザに該当しません。

    たとえば、医師の資格を有する者が、企業に雇用されて資格を有する者でなくても従事することができる研究業務に従事する場合は、仮に医療の専門知識をいかして従事するときでも、医療ビザに該当しません。

    また、医師の資格を有する者が、主として病院・クリニックなどの経営に従事するような場合も、医療ビザに該当しません。

    これらの場合は、研究ビザ経営・管理ビザ高度専門職ビザなどに該当しえます。

  • 医療ビザの活動は、特定の一つの施設(病院・クリニックなど)で行うものに限られず、複数の施設で行うものでも差し支えありません。

  • 在留期間は「5年、3年、1年、3ヶ月」の中で、いずれかの期間が決定されます。

3. 医療ビザの上陸許可基準

医療ビザ(在留資格)の上陸許可基準

医療ビザの在留資格認定証明書交付申請は、上記「2. 医療ビザの要件(条件)」に該当していることに加えて、次の上陸許可基準に適合していることが必要です。

なお、在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請についても、上陸許可基準に原則として適合していることが求められます。

  1. 申請人が医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士又は義肢装具士としての業務に日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上報酬を受けて従事すること。

  2. 申請人が准看護師としての業務に従事しようとする場合は、本邦において准看護師の免許を受けた後4年以内の期間中に研修として業務を行うこと。

  3. 申請人が薬剤師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士又は義肢装具士としての業務に従事しようとする場合は、本邦の医療機関又は薬局に招へいされること。

上陸基準省令

  • 次のいずれかの日本の法律に基づく資格を有し、その資格の業務に従事する必要があります。

    ①医師、②歯科医師、③薬剤師、④保健師、⑤助産師、⑥看護師、⑦准看護師、⑧歯科衛生士、⑨診療放射線技師、⑩理学療法士、⑪作業療法士、⑫視能訓練士、⑬臨床工学技士、⑭義肢装具士

    歯科技工士、臨床検査技師、救急救命士、言語聴覚士、管理栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などの資格は対象となりません。


  • 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上」か否かは、基本的には、就労する日本の機関で同じ業務を行う日本人と同等以上の報酬を受けるか否かで判断されます。

    他の企業で同種の職種に従事する日本人の平均賃金より明らかに低い報酬で就労している(しようとする)ときは、これに適合しないものとされます。


  • 報酬」は、一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付をいいます。

    具体的には、原則として基本給と賞与(ボーナス)をいいます。報酬の月額は、1年間従事した場合に受ける基本給・賞与の総額の12分の1で計算します。

    通勤手当・扶養手当・住宅手当などの実費弁償の性格を有するもの(課税対象とならないもの)は含みません。扶養手当は、被扶養者の有無による審査上の不平等がないように、報酬に含めないこととされています。

  • ⑦准看護師については、准看護師の免許を受けた時点から4年以内に行う研修に限って認められます。

    免許を取得してから4年を過ぎると上陸許可基準に適合しません。

    また、研修により報酬を受けて、その報酬で安定した生活をおくることができる必要があります(報酬を受けることができない研修ビザと異なります)。

  • ③薬剤師、⑧歯科衛生士、⑨診療放射線技師、⑩理学療法士、⑪作業療法士、⑫視能訓練士、⑬臨床工学技士、⑭義肢装具士については、日本国内の医療機関または薬局に「招へい」される必要があります。

    「招へい」は、日本国内の医療機関または薬局に招かれて、雇用等されて就労することを意味します。

4. 変更・更新のガイドライン

医療ビザ(在留資格):変更・更新のガイドライン

在留資格変更許可申請・在留期間更新許可申請は、上記「2. 医療ビザの要件(条件)」に該当していること、上記「3. 医療ビザの上陸許可基準」に原則として適合していることに加えて、次の事項が考慮されます。

なお、次の事項は代表的な考慮要素です。これらのすべてに該当する場合でも、すべての事情を総合的に考慮した結果、変更・更新の申請が不許可となることもあります。

  1. 現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと

    申請人である外国人が、現に有する在留資格に応じた活動を行っていたことが必要です。

    例えば、除籍・退学後も在留を継続していた留学生については、現に有する在留資格に応じた活動を行わないで在留していたことについて正当な理由がある場合を除き、消極的な要素として評価されます。

  2. 素行が不良でないこと

    素行については、善良であることが前提となり、良好でない場合には消極的な要素として評価されます。

    具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行為、不法就労をあっせんするなど出入国在留管理行政上看過することのできない行為を行った場合は、素行が不良であると判断されることとなります。

  3. 独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること

    申請人の生活状況として、日常生活において公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産または技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること(世帯単位で認められれば足ります。)が求められます。

    仮に公共の負担となっている場合でも、在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には、その理由を十分勘案して判断されることとなります。

  4. 雇用・労働条件が適正であること

    就労している(しようとする)場合には、アルバイトを含めその雇用・労働条件が、労働関係法規に適合していることが必要です。

    なお、労働関係法規違反により勧告等が行われたことが判明した場合は、通常、申請人である外国人に責はないため、この点を十分に勘案して判断されることとなります。

  5. 納税義務を履行していること

    納税の義務がある場合には、当該納税義務を履行していることが求められ、納税義務を履行していない場合には消極的な要素として評価されます。

    例えば、納税義務の不履行により刑を受けている場合は、納税義務を履行していないと判断されます。

    なお、刑を受けていなくても、高額の未納や長期間の未納などが判明した場合も、悪質なものについては同様に取り扱われます。

  6. 入管法に定める届出等の義務を履行していること

    入管法上の在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人の方は、入管法第19条の7から第19条の13まで、第19条の15及び第19条の16に規定する在留カードの記載事項に係る届出、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行していることが必要です。

    <中長期在留者の範囲>
    入管法上の在留資格をもって日本に中長期間在留する外国人で、次の①~⑤のいずれにも該当しない者

    ①  3ヶ月以下の在留期間が決定された者
    ②  短期滞在の在留資格が決定された者
    ③  外交・公用の在留資格が決定された者
    ④  ①②③に準ずる者として法務省令で定めるもの
    ⑤  入管特例法に基づく特別永住者

在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン

5. 医療ビザの質問

医療ビザ(在留資格)のよくある質問

医療ビザについて、よくある質問をご紹介します。

出入国在留管理局に提出する基本的な申請書類については、次の出入国在留管理庁のページを参照してください


当事務所では、出入国在留管理庁のページに記載されている基本的な申請書類に加えて、申請理由書状況に応じた申請書類などを提出しています。

出入国在留管理庁のページに記載されている基本的な申請書類だけでも受け付けてもらえますが、不許可や審査期間の長期化などのリスクを避けるために、申請理由書や状況に応じた申請書類などを提出して、法令の要件をクリアしていることを十分に立証しましょう。

外国人医師の方が本国の医師資格を有していたとしても、日本の資格を有していない場合には、医療ビザを取得することはできません

医療ビザを取得するには、次のいずれかの日本の法律に基づく資格を有し、その資格の業務に従事する必要があります。

①医師、②歯科医師、③薬剤師、④保健師、⑤助産師、⑥看護師、⑦准看護師、⑧歯科衛生士、⑨診療放射線技師、⑩理学療法士、⑪作業療法士、⑫視能訓練士、⑬臨床工学技士、⑭義肢装具士

なお、病院での先進医療行為の見学などは、研修ビザを取得できる可能性があります。

はり師・きゅう師としての業務は、上陸許可基準に適合しないため、残念ながら医療ビザを取得することはできません

上陸許可基準では「医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士、診療放射線技師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、臨床工学技士又は義肢装具士としての業務」に従事することと定められています。

6. 医療ビザ:まとめ

医療ビザ(在留資格)の重要ポイントまとめ

最後に、医療ビザの重要ポイントをまとめました。

  • 医療ビザは、①医師、②歯科医師、③薬剤師、④保健師、⑤助産師、⑥看護師、⑦准看護師、⑧歯科衛生士、⑨診療放射線技師、⑩理学療法士、⑪作業療法士、⑫視能訓練士、⑬臨床工学技士、⑭義肢装具士のためのビザ(在留資格)。
  • 上記、①から⑭の日本の法律に基づく資格が必要。本国の資格だけでは取得できない。
  • 歯科技工士、臨床検査技師、救急救命士、言語聴覚士、管理栄養士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などの資格は、医療ビザの対象とならない。
  • 資格を有する者が行う活動でも「資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務」以外の業務に従事する場合は、医療ビザには該当しない。
  • ⑦准看護師の場合は、准看護師の免許を受けた時点から4年以内に行う研修に限って認められる。
  • ③薬剤師、⑧歯科衛生士、⑨診療放射線技師、⑩理学療法士、⑪作業療法士、⑫視能訓練士、⑬臨床工学技士、⑭義肢装具士の場合は、日本国内の医療機関または薬局に「招へい」される必要がある。
  • 日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受ける必要がある。
  • 在留期間は「5年、3年、1年、3ヶ月」の中で、いずれかの期間が決定される。
  • 申請書類(必要書類)は、出入国在留管理庁(入管)のページで最新のものを確認する。
    【出入国在留管理庁】各種手続
行政書士
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以上、行政書士が解説しました。医療ビザのくわしい内容は、無料そうだんでも個別にご案内しています。どうぞお気軽にお声がけください。

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