再入国許可 Re-entry Permit
再入国許可は、外国人が日本から一時的に出国し、在留期間内に戻ってくるときに受けておく許可です。
再入国許可には、「通常の再入国許可」と「みなし再入国許可」の2種類があります。
出入国在留管理局へ再入国許可申請を行い、「通常の再入国許可」を受けてから出国しましょう。
出国時に出国港で「みなし再入国許可」の手続をしてから出国すればOKです。
もくじ
1. 再入国許可:法律の規定
日本から出国する前に再入国許可を受けた外国人は、再入国時に査証が必要なく、かんたんな上陸審査を受けることができます。また、上陸後は在留資格・在留期間が継続していることになります。
再入国許可には、通常の再入国許可とみなし再入国許可の2種類があり、それぞれ日本の法律(出入国管理及び難民認定法)で次のように定められています。
通常の再入国許可
第26条 再入国の許可
- 出入国在留管理庁長官は、本邦に在留する外国人(仮上陸の許可を受けている者及び第14条から第18条までに規定する上陸の許可を受けている者を除く。)がその在留期間(在留期間の定めのない者にあっては、本邦に在留し得る期間)の満了の日以前に本邦に再び入国する意図をもって出国しようとするときは、法務省令で定める手続により、その者の申請に基づき、再入国の許可を与えることができる。
この場合において、出入国在留管理庁長官は、その者の申請に基づき、相当と認めるときは、当該許可を数次再入国の許可とすることができる。 - 出入国在留管理庁長官は、前項の許可をする場合には、入国審査官に、当該許可に係る外国人が旅券を所持しているときは旅券に再入国の許可の証印をさせ、旅券を所持していない場合で国籍を有しないことその他の事由で旅券を取得することができないときは、法務省令で定めるところにより、再入国許可書を交付させるものとする。
この場合において、その許可は、当該証印又は再入国許可書に記載された日からその効力を生ずる。 - 出入国在留管理庁長官は、再入国の許可を与える場合には、当該許可が効力を生ずるものとされた日から5年を超えない範囲内においてその有効期間を定めるものとする。
- 出入国在留管理庁長官は、再入国の許可を受けている外国人から、法務大臣に対する第20条第2項又は第21条第2項の規定による申請があった場合において、相当と認めるときは、当該外国人が第20条第6項の規定により在留できる期間の終了の時まで、当該許可の有効期間を延長することができる。
- 出入国在留管理庁長官は、再入国の許可を受けて出国した者について、当該許可の有効期間内に再入国することができない相当の理由があると認めるときは、その者の申請に基づき、1年を超えず、かつ、当該許可が効力を生じた日から6年を超えない範囲内で、当該許可の有効期間の延長の許可をすることができる。
- 前項の許可は、旅券又は再入国許可書にその旨を記載して行うものとし、その事務は、日本国領事官等に委任するものとする。
- 出入国在留管理庁長官は、再入国の許可を受けている外国人に対し、引き続き当該許可を与えておくことが適当でないと認める場合には、その者が本邦にある間において、当該許可を取り消すことができる。
- 第2項の規定により交付される再入国許可書は、当該再入国許可書に係る再入国の許可に基づき本邦に入国する場合に限り、旅券とみなす。
出入国管理及び難民認定法
- 再入国許可は、日本に在留する外国人が日本から一時的に出国し戻ってくるときに、入国・上陸手続を簡略化するため出国に先立って与えられる許可です。
- 仮上陸の許可(第13条)を受けている者と第14条から第18条までに規定する上陸の許可を受けている者は、再入国許可の対象となりません。
第14条 寄港地上陸の許可
第15条 通過上陸の許可
第16条 乗員上陸の許可
第17条 緊急上陸の許可
第18条 遭難による上陸の許可
また、審査要領では、通常の再入国許可申請に係る審査の一般原則として、次のいずれかに該当する場合は、原則として再入国許可を許可しないと規定しています。
ア 入管法第25条の2に規定する出国確認の留保該当者として関係機関から通知を受けている者
イ 日本の外交上その他の利益を害する行為または公安を害する行為を行うおそれがある者
ウ 短期滞在の在留資格をもって在留する者
エ 難民認定申請を行っていることを理由に特定活動の在留資格をもって在留する者
オ その他許可することが適当でないと認められる者 - 数次再入国の許可は、1つの許可で、有効期間内でしたら何回でも再入国できる許可です。
通常の再入国許可には、1回限り有効と数次有効の2種類があります。 - 通常の再入国許可の有効期間は、5年を超えない範囲内(入管特例法第23条第1項により特別永住者は6年を超えない範囲内)、かつ、在留期間の範囲内で定められます。数次再入国の許可も同様です。
- 通常の再入国許可を受けている外国人が、在留資格変更許可申請(第20条第2項)または在留期間更新許可申請(第21条第2項)を行った場合で、相当と認められるときは、特例期間*(第20条第6項)の規定により在留できる期間の終了の時まで、通常の再入国許可の有効期間を延長することができます。
なお、在留資格変更許可申請または在留期間更新許可申請を行っている者のうち、みなし再入国許可の対象となるものは、通常の再入国許可の有効期間を延長しなくても、みなし再入国許可により在留期間満了日から2ヶ月を経過する日(特例期間満了日)までは再入国できます。
特例期間* … 30日を超える在留期間を決定されている外国人が、在留期間満了日までに、在留資格変更許可申請または在留期間更新許可申請を行った場合で、在留期間満了日までに申請に対する処分がされないときは、在留期間満了後も、処分がされる時または従前の在留期間満了日から2ヶ月を経過する日が終了する時のいずれか早い時点まで、引き続き日本に在留することができる。この期間のことを特例期間という。 - ⑤⑥は、通常の再入国許可の有効期間の延長について定めています。
航空機の欠航、病気・ケガなどのやむを得ない事情が生じ、有効期間内に再入国できないときは、外国の日本領事官等で有効期間を延長することができます。
延長の回数に制限はありませんが、1回の延長は1年を超えることはできず、通常の再入国許可が効力を生じた日から6年を超えない範囲内(入管特例法第23条第1項により特別永住者は7年を超えない範囲内)、かつ、在留期間の範囲内での延長となります。 - ⑦は、通常の再入国許可の取消しについて定めています。
出入国在留管理庁長官は、その者が本邦にある間において、当該許可を取り消すことができるとあり、出国中に再入国許可を取り消されることはありません。
ただし、上陸拒否事由に該当して、再上陸できないということはありえます。
みなし再入国許可
第26条の2 みなし再入国許可
- 本邦に在留資格をもって在留する外国人(第19条の3第1号及び第2号に掲げる者を除く。)で有効な旅券(第61条の2の12第1項に規定する難民旅行証明書を除く。)を所持するもの(中長期在留者にあっては、在留カードを所持するものに限る。)が、法務省令で定めるところにより、入国審査官に対し、再び入国する意図を表明して出国するときは、前条第1項の規定にかかわらず、同項の再入国の許可を受けたものとみなす。
ただし、出入国の公正な管理のため再入国の許可を要する者として法務省令で定めるものに該当する者については、この限りでない。 - 前項の規定により外国人が受けたものとみなされる再入国の許可の有効期間は、前条第3項の規定にかかわらず、出国の日から1年(在留期間の満了の日が出国の日から1年を経過する日前に到来する場合には、在留期間の満了までの期間)とする。
- 第1項の規定により外国人が受けたものとみなされる再入国の許可については、前条第5項の規定は、適用しない。
出入国管理及び難民認定法
- みなし再入国許可は、在留資格をもって日本に在留する外国人で有効な旅券を所持する者(*1)が、出国の日から1年以内(*2)に再入国するときに、原則として通常の再入国許可の取得を不要とするものです。
*1 中長期在留者は、有効な旅券のほかに、在留カードを所持している必要があります。
*2 出国の日から1年以内に在留期間満了日となるときは、在留期間満了日までとなります。 - 日本に在留資格をもって在留する外国人のうち、3ヶ月以下の在留期間が決定された者(第19条の3第1号)、短期滞在の在留資格が決定された者(第19条の3第2号)は、みなし再入国許可の対象となりません。
*短期滞在の在留資格が決定された者で、指定旅客船(クルーズ船)で再入国する方については、入管法第26条の3で定める「短期滞在に係るみなし再入国許可」の対象となりなす。 - ただし書の「法務省令で定めるものに該当する者」(以下、アからオ)についても、みなし再入国許可の対象となりません。
ア 在留資格取消手続中の者
イ 出国確認の留保対象者
ウ 収容令書の発付を受けている者
エ 難民認定申請中の特定活動の在留資格をもって在留する者
オ 日本国の利益または公安を害する行為を行うおそれがあることその他の出入国の公正な管理のため再入国の許可を要すると認めるに足りる相当の理由があるとして出入国在留管理庁長官が認定する者 - 通常の再入国許可と異なり、有効期間の延長はできません(前条第5項の規定は、適用しない)。
航空機の欠航、病気・ケガなどの本人の責に帰すことができない理由であったとしても延長することはできません。有効期間が過ぎてからの上陸申請は、新規の上陸申請として扱われます。 - 有効な旅券と特別永住者証明書を所持して出国する特別永住者も、みなし再入国許可の対象となります。
特別永住者のみなし再入国許可の有効期間は、出国の日から2年(在留期間満了日が出国の日から2年を経過する前に到来するときは、在留期間満了日まで)です(入管特例法第23条第2項)。
2. 再入国許可の比較
通常の再入国許可 | みなし再入国許可 | |
---|---|---|
対象者 | 在留資格を有する者 *短期滞在の方等は原則許可されません。 |
在留資格を有する者 *3ヶ月以下の在留期間が決定された方、短期滞在の方(指定旅客船で再入国する方を除く)などは対象外 |
種類 | 2種類 *1回有効と数次有効 |
1種類 |
有効期間 | 最長で5年 *特別永住者は6年 *在留期間の範囲内で定められます。 |
出国の日から1年 *特別永住者は2年 *上記の期間内に在留期間満了日となる方は、在留期間満了日までとなります。 |
延長 | 可 *有効期間の延長は、相当の理由があるときに許可されます。 |
不可 |
手続場所 | 出入国在留管理局 | 出国港 |
手数料 | 1回有効: 3,000円 数次有効: 6,000円 |
なし |
再入国許可を受けずに出国したり、出国後に外国で再入国許可の有効期間が過ぎたりすると、現在の在留資格は消滅してしまいますので注意してください。
永住者や特別永住者の方でも消滅してしまいます。
3. 再入国許可の質問
再入国許可について、よくある質問をご紹介します。
- みなし再入国許可で出国するときの手順は、次のとおりです。
1.空港等でEDカード(再入国出入国記録)を受け取る。
2.EDカードに必要事項を記入する。
「一時的な出国であり、再入国する予定です。」にチェックを入れてください。
3.出国時に、審査官に旅券・在留カードを提示し、EDカードを提出して出国確認を受ける。 - EDカードの様式は、次のページを参照してください。
>【出入国在留管理庁】平成28年4月1日から外国人入国記録・再入国出入国記録(EDカード)の様式が変わりました。 - 自動化ゲートを利用する方は、次のページを参照してください。
>【出入国在留管理庁】自動化ゲートの運用について(お知らせ)
みなし再入国許可の有効期間は、出国の日から1年(特別永住者は2年)です。
出入国在留管理局に提出する、通常の再入国許可の申請書類については、次の出入国在留管理庁のページを参照してください。
日本から出国して外国にいる間に、在留期間更新許可申請を行うことはできません。
再入国許可を受けて出国中の方は、在留期間が過ぎる前に日本に再入国して、在留期間が過ぎる前に出入国在留管理局へ在留期間更新許可申請をしましょう。
オンラインでの在留期間更新許可申請でも、申請人本人が日本から出国しているときは受け付けてもらえません。やはり、日本に再入国してから申請する必要があります。